畳工事TOP > 畳の知識
1 畳の歴史
畳の歴史は古く、1300年程前にさかのぼり、奈良時代の「古事記」に「菅畳」・「皮畳」・「絹畳」
などの記述があり、コモ・ムシロなどを重ねて用いられたとされています。
現在の厚みの畳になったのは平安時代になってからです。
板敷き(現在のフローリング)の上に座具・寝具として置いて貴族や高官が使い、畳の大きさ・
色や・ヘリの柄などによって身分を表していました。
鎌倉時代から室町時代になると部屋全体に畳を敷き詰めるようになり、桃山時代から江戸時代
となるなかで数寄屋造・茶道の発展、普及により、徐々に町人の家にも畳が敷かれるようになって
いきました。
江戸時代中期以降には畳屋・畳師が活躍し、庶民も使用できるようになりました。
2 畳の特長
- 1.高い断熱性と保温性で夏は涼しく、冬はあたたかい。
- 畳床の中に詰まっている空気が、断熱効果を発揮。
- 蓄えた熱を逃さず室温を保ちます。
- 2.湿気の吸収・放湿効果で湿度調整。
- 湿度が高いと畳表のイグサが湿気を吸収し、また乾燥すると畳床の中の空気が
- 湿気を 放出します。
- 高温多湿の日本の気候に適しているのです。
- 湿気を 放出します。
- 3.空気を浄化、リラックス効果もあるイグサ。
- イグサの香りには心を落ち着かせる効果があります。また二酸化窒素を吸着する
- 働きがあり、空気も浄化してくれます。
- 4.吸音効果で足音や震動を弱めます。
- 畳の上を歩いても足音が気になりません。これは、畳床の中の空気が音を吸収
- するからです。
- さらに弾力性があるので、衝撃も弱めます。
- するからです。
3 畳の基礎知識
- ●畳各部の名称と畳床の構造
- 畳は畳床に4000本以上のい草で編んだ畳表を張って作られています。
- 優れた機能・効果をもたらすのに重要な畳床は、稲わらのみで作られる昔ながらの
- 畳床から、現在は断熱性・耐湿性の優れたポリスチレンフォームやインシュレーション
- ボードなどを使用するようになってきました。
- 優れた機能・効果をもたらすのに重要な畳床は、稲わらのみで作られる昔ながらの
-
- ●ワラ床
- 昔ながらの畳床。ワラを何層も重ね
- 合わせ、約40cmまで積んだワラを
- 5cmの厚さまで圧縮します。
- 吸放湿性・耐久性・復元力で一番
- 優れているが、換気がわるいとダニが
- 発生することもあります。
- 合わせ、約40cmまで積んだワラを
-
- ●ワラサンドウィッチ床
- ワラの間にポリスチレンフォームを挟み
- 込んだもの。
- 断熱性・防音湿性に優れている。
- 込んだもの。
- ●インシュレーションボード サンドウィッチ床
- ポリスチレンフォームをインシュレーション
- ボードで挟んだ畳床。断熱性・耐湿
- 性に優れ、軽量で防カビ・防虫効果
- もあり自由設計にも対応でます。
- ボードで挟んだ畳床。断熱性・耐湿
- ポリスチレンフォームをインシュレーション
-
- ●畳の種類と大きさ
- 最近では、ヘリを取った半畳サイズの畳も人気です。和室が無くても、洋間に置き畳を置き、
- 畳のスペースをつくったりと、スタイルも様々。畳の大きさは、地方や建物によって異なります。
- ●畳の種類と大きさ
5 お手入れー基本編
- 掃除
- ●新畳の掃除
- 新畳や表替えをした直後は、 畳の表面が白く粉を拭いたようになっています。
- これを乾いた雑巾で、畳の目に沿って拭きます。
- ●通常の掃除
- 畳の目にそって、 ほうきや掃除機で目につまったホコリをとってください。
- 特に掃除機は畳表を傷めやすいので、軽く触れる程度にかけてください。畳全体
- が汚れている場合は酢水(1:1)で固く絞った雑巾で拭き、充分に乾かします。
- 特に掃除機は畳表を傷めやすいので、軽く触れる程度にかけてください。畳全体
- 新畳や表替えをした直後は、 畳の表面が白く粉を拭いたようになっています。
- 畳の裏返し
- 畳が日焼けしたり、 傷んでいる時は裏返しをします。購入して2~3年目頃に裏返し
- をすると良いでしょう。
- 畳の表替え
- 畳床はそのままで、 表面の畳表だけを取り替えます。これが「表替え」といい、購入して
- 3~4年で行うとよいでしょう。
- 畳干し
- 畳は湿気が苦手。 ダニの発生を防ぐ為にも畳干しは年に1~2回(春・秋)すると
- 良いでしょう。干すときは地面に畳が直接つかないよう、ブロックなどを台にして干します。
- 畳表は直射日光が当たると変色するので、畳床に日光を当てるように立てかけてくださ
- い。ホコリを叩きだして、4~5時間ほど干します。
- 良いでしょう。干すときは地面に畳が直接つかないよう、ブロックなどを台にして干します。
- 畳替え
- 新しい畳に替えること。 購入して15年~20年もすると変色やいたみも激しく、
- 畳と 畳の間に隙間ができたり、歩いたときにプカプカしていれば取り替えましょう。
6 お手入れー対処法
- しみ抜き
-
- ●油性ペン
- マニキュアの除光液で拭き取ります。
- ●インク
- 牛乳で湿らせて拭き取るか、レモン汁で湿らせた後、塩素酸ソーダを10倍
- に薄めて拭きます。
- ●醤油やソース
- こぼした醤油などが畳に染み込まないように、 小麦粉やベビーパウダーなどを
- ふりかけ、水分を吸い取らせます。その後、掃除機をかけます。
- ●灯油やおしっこ
- 塩、小麦粉、パウダー等をふりかけ、水分を吸い取らせ、掃除機をかけます。
- その後、固く絞った雑巾で水ぶきし、充分に乾かします。
- 日焼け
- 水1に対し、酢1/3を入れた酢水に、雑巾をつけ固く絞ってで畳を拭きます。
- 変色してす ぐなら、少し色が戻ります。
- ダニ予防
- 湿度と温度が高くなると、ダニが繁殖しやすくなります。
- ・室内の換気をし、まめに掃除機をかける。
- ・畳の上にカーペット、じゅうたん等を敷かない。
- ・畳を拭くときは、固く絞った雑巾か乾拭きする。
- ・畳の上にカーペット、じゅうたん等を敷かない。
- ・天気がいい日は、窓をあけ風通しを良くする。
- ・年に2回は畳干しをする。
- 家具の跡
- 家具の跡で畳が凹んでしまったら、その部分に霧を吹きかけ、濡れたタオルを当てて、
- アイロンをかけます。
- カビ
- 消毒用アルコールを布に浸み込ませ拭き取る。その後固く絞った雑巾でふき、
- 乾燥させてください。